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元東映プロデューサー田中憲吾の芸能界回顧録ブログ

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プロデューサー時代の俳優女優さんとの交流記録や

時代劇・ドラマの制作秘話など芸能界の裏話エピソードをつづったブログ

こわもてイメージは商売用 松山千春さん


このブログでは、東映プロデューサー時代の俳優女優さんとの思い出や、時代劇・ドラマの制作エピソードを振り返る回顧録としてブログに綴っております。

今日は松山千春さんとの思い出を書きたいと思います。

これも1999年7月28日に日刊スポーツで連載させて頂いていた「カメラの向こうで 素顔のスター」というコラムが元になっています。

松山千春さん

⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎

松山千春さんとは7年前、

九州のゴルフ場で毎年5月に行われるテレビのゴルフ番組で知り合った。

千春さんはスキンヘッドに歯に衣を着せぬ喋り方で、

怖いというイメージが強いが、

これはあくまでも商売用。

素顔は実に気配りのできる人だ。

性格の良さでは私の知っている芸能人の中ではトップ級。

去年5月に同番組の収録が行われ千春さんと再会。

「実は渡哲也さん主演で『新選組』の準備を進めている」

というと、千春さんは

「芹沢鴨役で出演させてよ。

本も読んだけど、芹沢という人は女たらしでケンカっ早く、

私の私生活とまるで一緒」

と言ってくれた。

さっそく東映本社やテレビ朝日の関係者に相談したところ

「松山さんは時代劇は初めてだし、

近藤勇と対立する芹沢鴨という役は大きすぎて危険」

と難色を示す声もあったが、そこを説得。

台本を持って北海道の事務所に飛んだ。

千春さんに

「ぜひ出演して」と頼むと

「わかりました。出ましょう」

とその場でOKしてくれた。

撮影は去年7月20日から延べ二週間にわたって行われたが

気温25殿北海道から35度の京都での撮影は相当こたえたようだ。

下帯姿での大立ち回り、

ラストは惨殺されるのだが、

監督の注文にも文句を言わず大汗を流して奮闘。

芝居もうまくこちらの期待に十分にこたえてくれた。

あまりの暑さに冷房の効いた控え室を用意したが、

「いや、結構です。」

と堅く辞退。

出演料の話をすると

「私は歌手。

俳優になる気はありませんので、

ギャラも交通費もいりません。

これは憲吾さんへの友情出演と思ってください」

という言葉。

これにはジーンときた。

千春さんのコンサートでの話術は日本一だろう。

観客を徹底的にこき下ろし、

最後はホロリとさせる。

ディナーショーなどをやる俳優さんたちも

話術を勉強するために、

千春さんのコンサートに通っている。

高橋英樹さんもその一人だ。

実は千春さんで現代劇を企画中だ。

闇の組織に潜入した手のつけられないヤクザ、

実は特捜刑事だったというもの。

千春さんも乗り気で「やりたい」

と返事をもらっている。

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